ロッテ井口が考える、海外と日本の内野手の違い「技術以上にメンタルの差」
「投手のクセが分かっても、なかなか人には言わなかった(笑)」
プロ野球選手であれば、毎日が勝負。それは試合の勝敗に限らず、チーム内での生き残りも同じ。チームとしての結束を保つ一方、個々の選手がいい意味で自己中心的になってもいいのかもしれない。
「今の若い選手は人がいいから、何でも情報を共有しようとする。勝ち残りたいんだったら、他人と差をつける努力は必要ですよね。僕は投手のクセが分かっても、なかなか人には言わなかった(笑)。『教えろ』って言われても、自分がレギュラーとして勝ち残ることで必死だったから。
チームのまとまりは必要だけど、ダメな時に傷を舐め合うような仲良しクラブじゃダメ。誰かが怪我をしたり調子を落とした時、『ここがチャンスだ』っていう競争がチームの中にあれば、自然と強くなるし、まとまりも生まれると思うんですよね」
勝負をかける思い切りの良さ。チャンスを逃さない貪欲さ。そして、自分の長所を見極める意欲。この3つを実践したからこそあるプロ21年目のシーズン。NPB最年長野手、井口資仁の存在こそが、若手にとって生きる手本なのかもしれない。
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佐藤直子●文 text by Naoko Sato