“初戦”で沈黙の侍打線 キーマンの1番山田と5番中田に共通する問題点とは?
侍戦士の高い能力を信じる稲葉コーチ「彼らは一流選手なので…」
特打を見守った稲葉篤紀打撃コーチは「ちょっとボール球を振りすぎてたので、少しボールを長く見る時間を作ろうかという話をさせてもらった。どうしても打ち急いでしまっているので、ボール球も振っていましたし、自分で捉えたと思った打球が少し差し込まれている。体の近くまでボールが来て慌てて打っている感じだったので」と問題点を指摘する。
一方、山田についても「哲人もやはり少しタイミングを取るのが遅いというか、いつもに比べるとボールを長く見る時間が少ないというか。慌てて足を上げて打ちに行っている感じ」だという。2人には共通した課題があるようだ。例年よりも早い時期に仕上げなければいけない状況の中、打席での感覚をつかみきれてない。山田は試合後に木の花ドームに移動して、「自分のルーティン」と語るティー打撃でバットを振り込んだ。
こちらも本人は「自分の感覚としてはいい感じですね」と話すが、実際に必要なのは結果だ。あと4試合しか強化試合がない中で、2人は間に合うのか。稲葉コーチは「彼らは一流選手なので、7日までにはしっかり合わせてくれると信じてます」と言いながらも、自らの経験を振り返り、こう話した。
「正直すごく難しいところ。僕もWBCに2度出させてもらいましたけど、一生懸命そこに合わせようとしても、合わないこともあります。でも待ってはくれないので。その中で何ができるかということを考えながらやることが大事」
稲葉コーチは「今日負けたことによって、また選手が『これじゃいかん』っていう気持ちを引き締めてくれたらいいのなかと思います」とも話す。2017年初の試合で現時点での課題が浮き彫りになったが、侍打線のキーマンたちは、世界一へ向けて急ピッチで準備を続けている。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count