侍打線は「チーム打撃」を意識しすぎ? 稲葉コーチが「一番怖い」こととは

「みんなが小さくなるっていうのが一番怖い」

 むしろ、同じような場面で中田に右打ちを求め、打撃が縮こまってしまう方が、チームにとっては痛い。坂本はこの日、中田、菊池、平田らとの居残り特打を行ったが、終了後には「(チーム打撃の意識は)しすぎると打撃が小さくなってしまうので、自分のスイングを第一にその中で色々な工夫をしていきたい」と話した。一方、山田は「(チーム打撃は)時と場合なので、なんとも言えないです。その時の状況次第ですね。(右打ちは)しないといけないところはしないといけない。場面によってくる」と言う。とにかく、「チームバッティング」を意識しすぎるのは逆効果と言えそうだ。

「とにかく自分のことを。今までやってきたことしか選手はできないので、それ以外のことをやってくれっていうのは、なかなか難しい。自分がやってきたスタイルで3月7日までに調子を上げてくれればいいのかなって。坂本選手も、つなげようという意識が強すぎて、だんだん打撃が小さくなってきているっていう話を、今日もちらっとしました。つなげようという気持ちはありがたいですけど、その気持ちが強すぎて、みんなが小さくなるっていうのが一番怖いなと思っているので、今日も坂本選手と話しながら、自分のスタイルで、もし進塁打とか送ってくれっていう時はサインが出るので、あまり小さくならずにやろうよって話はしました」

 稲葉コーチはこう強調した。まずは自分の持ち味を生かすことが、チームのためになる。そういう意味では、昨季リーグ最多の23犠打を決めながら、こちらもリーグ最多の181安打を放った菊池のような選手は、打線に欠かせない存在となりそうだ。侍打線はつながるのか。あと4度の強化試合でしっかりと形を作っていきたい。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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