「優勝旗の白河越え」へ 選抜で悲願狙う東北の雄、3度決勝で涙した過去

1点差で涙をのんだ2001年春、エース大越が熱投見せた1989年夏

〇2001年春 常総学院7-6仙台育英

 仙台育英は好投手の左腕エース・芳賀を擁して、決勝までたどりついた。対する常総学院の右腕・村上も大会屈指の右腕だった。打線には2年生で横川(元巨人)、大崎(現西武)らがいた強力打線。3回までに4点を奪われると、常総学院・木内監督のスクイズやつなぎの打撃など、そつのない攻撃で点差が開いていった。最後は9回に1点差までに迫ったが、惜戦した。

〇1989年夏 帝京2-0仙台育英

 死闘だった。両校一歩も譲らず、0-0のまま、延長戦へ。10回表に帝京は1死二、三塁のチャンスから3番・鹿野が決勝の2点タイムリー。その裏を巨人、近鉄でプレーしたエースの吉岡が抑え、10回完封。優勝投手となった。仙台育英のエース・大越も痛む右ヒジをかばいながら、投げ抜いた。10回2失点。敗れはしたが、大越も記憶に残る投手となった。

 仙台育英は今年の4度目の決勝進出、そして頂点を目指す。これまでの3度はすべて関東の学校に僅差の展開で敗れている。相手チームを苦しめるだけの接戦を最後まで演じ、記憶に残る戦いを繰り広げてきた。今年もどんなドラマが待っているのだろうか。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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