「自分が正しいと証明しろ」 白星発進の侍戦士を奮い立たせた青木の言葉
カノがチームを鼓舞した言葉「Prove yourself right」
「自分がプレーのモットーにしていることです。『自分が正しいと証明しろ』という意味なんですけど。それをみんなに伝えました。『自信を持ってプレーしろ』と、みんなに伝えました。やっぱり自分も色んな経験してきて、苦しいときがあったし、自分の経験を伝えただけなんですけど。苦しい時に自分が本当に正しいと証明しろ、と。そういう正しい意思を持ってプレーすることが大切だと思うし、それを伝えました」
実はこれ、昨年マリナーズでチームメートだったスーパースターに教えてもらった言葉だという。
「去年、ロビンソン・カノがよく言ってたんです。チームを鼓舞する時に使うような言葉なんですけど、すごくい言葉だと思って。去年マイナーに落ちたときも、その言葉にけっこう救われたと思うし」
昨年、青木は不調に陥り、メジャー5年目で初めてマイナー落ちを経験した。しかし、結果を残して再びメジャーに這い上がった。“どん底“の青木を救ったのが、このカノの言葉。王者・ドミニカ共和国代表の一員として今回のWBCに3大会連続で出場するスター二塁手は、青木の打撃技術に一目を置いていた選手の一人で、2人は良好な関係だった。
WBC前の実戦では2勝3敗と“負け越し”に終わり、臨んだ本大会。だが、このキューバ戦では、初回の菊池の美技や、松田、筒香の打撃での活躍など、要所で好プレーが飛び出した。本番になり、選手たちは確実にギアを一段階上げてきた。その力を引き出したのは、最年長にしてチーム唯一のメジャーリーガーである青木。言葉、そして気迫のこもったプレーで侍ジャパンを牽引した。
2大会ぶりの世界一へ――。日本は青木のチームになりつつある。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count