V戦士・岩村明憲氏が豪州戦の千賀快投を絶賛「あのフォークは打てない」
「ゲッツーは、相手の攻撃の流れを断ち切れる」
同時に、要所要所で離れかけた試合の流れを引き留めたのが、二塁・菊池涼介内野手(広島)の“目立たない”好守だ。守備の名手として知られる菊池は、いとも簡単に打球を捌き、凡打や併殺に仕留めるが、何気ないプレーに見えるのは、菊池が見せる打球に対する1歩目の動きの速さや絶妙なポジショニングにある。二塁手の経験を持つ岩村氏は、そんな名手を「ニンジャ菊池」と大絶賛する。
「ここでヒットを打たれたらマズいっていう場面で、いい具合に菊池のところに飛んでいったよね。東京ドームで応援する人、いやテレビ観戦している人も含め、二塁に打球が飛んだら、全員がホッとするんじゃないかな。これはアウトで間違いないって。そうやって周りに安心感を与えられる守備をするニンジャ菊池はさすがだね。
ワンプレーで2つアウトを取れるゲッツーは、相手の攻撃の流れを断ち切れる。いくら打者に個々の力があっても、試合の流れを味方につけていなければ点には結びつかない。豪快なホームランで流れが一変することもあるけど、出る確率は高くないよね。それよりも出る確率の高い併殺プレーをしっかり決めることができるか。野球の基礎、ファンダメンタルな部分ではあるけど、ここはおろそかにはできない。
俺が楽しみになのは、これから勝ち進む中で4-6-3、6-4-3のゲッツーが何個見られるのか。それを楽しみにさせるニンジャ菊池の存在はデカイ」
オーストラリア戦の中で、打球が二塁へ飛んだ時、誰もがガッツポーズを作った瞬間があった。5回2死満塁。2番手・岡田俊哉投手(中日)がベレスフォードを二ゴロ併殺に打ち取った場面だ。ソロ弾一発で1点を先制された後、好投を続けた菅野だったが、5回に1死一、二塁としたところで、1次ラウンドの球数制限65球に達して降板。マウンドを継いだ岡田は制球が定まらず、暴投とストレートの四球で1死満塁のピンチを招いた。2人目ベレスフォードに対してもボールが先行。2ボールからの3球目。この日投げた唯一のストライク球で二ゴロ併殺に打ち取り、窮地を脱した。