「守備位置は獲る時決めればいい」 プロも認める大阪桐蔭の超マルチな逸材

“使いやすい選手”で貢献、「複数守れれば、その時のベストオーダーが組める」

 複数のポジションをやっていることに関しては「(試合に出る)9人を監督さんが決める上で、複数守れれば、その時のベストオーダーが組めると思います。『アイツはこのポジションもできる』と思ってもらった方がいいと考えています」と打順や守備位置のこだわりはない。西谷浩一監督も新チームのスタート当初から流動的にオーダーを決め、勝ち進んできた。その時のベストを組むために根尾のようなオールラウンダーは貴重な存在だ。

 固定しないメリットは他にもある。根尾は内野を守っていると、外野手のポジションどりも気になるという。外野を守っていても、バッテリーの配球や、打者に応じたショートの動きなど、自分が守っていないところの守備も注視するようになった。それによって野球観が広がったことを実感している。グラブも投手、内野、外野と3つ持っている。手入れ時間も3倍だが、グラブ磨きをしている時は「楽しい」と話す。

 根尾は監督が使いやすい選手になることを求めている。それが一番、勝利に近いとわかっているからだ。複数のポジションをこなすのは高校生であれば当然であって、その中で根尾は自分の可能性を見つけようとしている。チームのためにも自分のためにも、どのポジションが1番いいか、現時点で決める必要はない。

 今大会は背番号7を着けて甲子園のグラウンドに立つ。初戦は第6日の宇部鴻城(山口)戦。果たして、躍動するのは、マウンドの投手か、黒土の遊撃か、芝生の外野か。今大会、そして、これからの飛躍を見守っていきたい選手である。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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