独立LからNPB復帰を目指す前ホークス助っ人右腕「千賀の存在が刺激になる」
NPB連続ホールド記録を持つバリオスが臨む新たな挑戦
野球日本代表「侍ジャパン」が第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で見せる快進撃に沸く日本だが、同時にNPBや独立リーグの各球団とも目前に迫る今季開幕に向けて着々と準備を進めている。そんな中、3月16日に30時間以上の旅を経て来日したのが、今季からルートインBCリーグの富山GRNサンダーバーズ入りした右腕エディソン・バリオスだ。昨季までソフトバンクに所属した28歳は「日本は野球が自分には合っているし、大好きだから」と、再び独立リーグからNPBへの道を探ることにした。
バリオスが日本での野球人生を歩み始めたのは、2011年、関西独立リーグ・神戸サンズからだった。高校卒業後にMLBパイレーツ傘下のマイナーでプレーしたが、昇格は果たせず。母国ベネズエラのウインターリーグを経て、2011年に神戸入り。ここでは主に先発を務め、9試合に投げて6勝1敗、防御率1.66でチームを前期優勝に導いた。この活躍を見逃さなかったのがソフトバンクだった。
シーズン途中の7月末にソフトバンク入り。そこからは昨季まで足掛け6年をホークスの一員として過ごした。「大好きな街。第2の故郷のようなもの」と愛着を示す福岡では、いろいろな経験をした。支配下から育成へ、育成から支配下へ。右肘靱帯を断裂し、いわゆるトミー・ジョン手術も受けた。山あり谷あり。決して順風満帆ではなかったが、2015年には開幕1軍入りを果たし、17試合連続ホールドというNPB記録に並ぶ活躍でオールスターにファン選出された。
3軍まで持つソフトバンクは選手層が厚く、1軍入りをかけてチーム内での競争が激しいことでも知られる。「自分は投手枠だけではなく、外国人枠も争わなければいけなかったから、さらに一層厳しい競争だったけど、おかげでいろいろなことを学べたんだ」と話す。チームメイトとも日本語で積極的にコミュニケーションを図り、レベルアップにつながることなら盗めるものは盗もうとした。