独立LからNPB復帰を目指す前ホークス助っ人右腕「千賀の存在が刺激になる」
ウルグアイで続けたトレーニング、「またNPBと契約したい」
「日本に帰って来られて本当にうれしいよ。富山がどんなチームか、どんな街か、まだ知らないことはたくさんあるけど、野球をプレーできる環境を与えてもらえただけで感謝。ここで最高のパフォーマンスを見せて、またNPBのどこかの球団と契約がしたい。まずは富山のために、全力のピッチングを見せるよ」
神戸からソフトバンクへの道を切り拓いたのが2011年。その6年後、また同じ形でチャンスを掴みたい。1度掴んだ経験があるからこそ、「やるべきことをやっていれば、必ず誰かが評価してくれる」という自信がある。
オフは自宅のある南米ウルグアイでトレーニングを重ねた。母国ベネズエラは政情不安定が続くため、家族を連れてウルグアイに移住。人気スポーツと言えばサッカーで、野球はほとんど普及していない国だが、「トレーニング施設とグラウンドがあれば大丈夫」と、ウエイトトレーニングなどで体を追い込み、捕手経験のある兄を相手にキャッチボールを繰り返し、状態を仕上げてきた。富山では先発起用される可能性もあるというが「それもまた楽しみ。やる前からできない、とは思いたくないんだ」と、チャレンジ精神を前面に押し出し、NPB復帰に向けて猛アピールしていく。
大きな体をエコノミー席に沈めて再び日本に降り立ったバリオスは、2つの大きなスーツケースの中に野球用具と衣類、大好きなベネズエラ料理「アレパ」の材料、そして大きな期待と自信を詰め込んできた。富山で活躍し、再びNPB球団との契約を勝ち取り、スポットライトの当たるマウンドに立つことができるのか。28歳右腕のチャレンジが始まった。
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佐藤直子●文 text by Naoko Sato