プエルトリコ・モリーナ「世界一の視野」で好戦演出 放心バレの肩を抱く
メジャーNO1捕手、激昂バレの乱闘止める…米記者も称賛「最大の見所」
第4回WBCの準決勝が20日(日本時間21日)、ロサンゼルスのドジャースタジアムで行われ、プエルトリコがオランダに4-3で延長11回サヨナラ勝ち。メジャーNO1捕手のヤディアー・モリーナ(カージナルス)は「世界一の視野」で2大会連続決勝進出に貢献した。
まるで優勝したかのような、自軍のお祭り騒ぎをよそに、モリーナが視界にとらえたのは、敵軍の4番バレンティンだった。放心するヤクルトの主砲のもとに近づくと、肩を抱き、健闘をたたえるように言葉をかけ続けていた。
マスク越しに「世界一の視野」を見せつけた。初回無死一、二塁の初球。オランダの3番プロファーがバントを見送り、二塁走者・シモンズが飛び出したのを見るや、矢のような送球で二塁へ送球。タッチアウトに仕留めたが、これで終わらない。
プロファーが右前打を放ち、ボールは右翼から本塁へ返球。この時、一塁を蹴ったプロファーが喜びながら、ベンチへ向かってガッツポーズを繰り出している隙を見逃さず、一塁へ投げ、タッチアウトにした。プロファーは何が起こったのかわからず、茫然とした。
直後にバレンティンの2ランが飛び出したが、モリーナが1人で走者2人を刺したことで、失点を最小限に食いとどめた。結果的に試合は1点差、あのプレーがなければ――。敵将のミューレンス監督が試合後に「初回の走塁が差を生んだ」と悔やんだビッグプレーが、2大会連続のファイナル切符をもたらした。