4年ぶりAクラスへ―楽天のキーマンは新加入選手、若手投手、そしてエース
4年ぶりのAクラス浮上は遠い目標ではない
また、昨季のパ・リーグの順位は、チーム防御率の順に並んでいる。パ・リーグ5位だった楽天は、防御率も5位の4.11だ。リーグ1位の北海道日本ハムは防御率3.06、2位の福岡ソフトバンクは防御率3.09であるため、上位チームからは1点以上の差をつけられたことになる。ただし、チーム打率も.257で4位、失策数も84で4位と、少しでも改善していかなければならない課題は、投手の防御率以外にも山積している。
2016年ドラフトで指名されたルーキーたちの活躍のほどは未知数だが、オープン戦で結果を残したドラフト5位の森原は、開幕後も1軍ブルペン陣の一角に名を連ねることが決まり、頼もしい限りである。ルーキーは投手がほとんどだが、俊足のスイッチヒッターで外野守備に秀でた田中も、即戦力として大きな期待がかかる。
楽天の補強ポイントは投手を含めた「守備力」であり、ストーブリーグとドラフトにおける獲得方針も、それを強く意識していることがうかがえた。そして現時点で、チームはほぼ理想通りの補強に成功している。楽天がAクラス浮上、リーグ優勝を果たすために必要な鍵は、岸を筆頭とした新加入選手、2桁勝利を達成するポテンシャルを持ちながら発揮しきれていない若手投手、そして例年以上の結果が求められるエースの則本が握っている、と言えるだろう。
野球に「絶対」はないが、それは良い意味でも悪い意味でもそうだ。シーズンは始まってみなければわからない。しかし、どんな補強をしても、どんな選手が加入しても絶対に安泰だということはあり得ないからこそ、上に挙げた以外のすべての選手たちも、「自分こそがチームの鍵を握っている」という意識を持つことが必要となる。そうやってチーム一丸となって一戦一戦を戦い抜くことができれば、楽天の2013年以来、4年ぶりのAクラス浮上も、そう遠い目標ではないはずだ。