若手ブレイクで台風の目に? 最下位から浮上へ、オリックス「2017年の行方」
96年V以来、Aクラスはわずか5度…浮上へエース金子の復活不可欠
そして、チームの浮上には金子千尋投手の3年ぶりとなる2桁勝利が不可欠だ。2度の最多勝、2014年には沢村賞を獲得するなど輝かしい成績の持ち主だが、ここ2年は不完全燃焼。昨季は7勝9敗と、プロ入り12年目で自身初の負け越しを経験。自身も「苦しいシーズンだった」と振り返っている。
金子千尋投手の持ち味は、なんといっても卓越した制球力と七色の変化球だ。どの球種も精度が高いため、何を投じてもカウントがとれ、決め球としても選ぶことができる。今季は不動のエースとして、投手陣を引っ張るべく、春季キャンプでは去年より4日早くブルペン入りし、調整を行った。ここ2年、本来の活躍ができていない絶対的エース・金子千尋投手の復活なくして、チームの上位進出は難しい。屈辱からの復活を、ファンは心待ちにしている。
また、投手の戦力層を厚くするため、昨年のドラフトでは、社会人ナンバー1と評価されていた山岡投手を獲得。オープン戦では安定感のある投球を披露し、福良監督からも評価されている。ドラフト2位の黒木投手や、8位の澤田投手も、1年目とは思えない堂々たるマウンドさばきで結果を残し、開幕1軍の権利を手繰り寄せた。新外国人のコーク投手も、オープン戦で3試合に登板、1勝1敗、18回2/3、14奪三振、防御率0.96と申し分のない成績でアピールした。
オリックスは1996年を最後にリーグ優勝から遠ざかっており、Aクラスに範囲を広げても1997年から1999年、そして2008年と2014年の5回のみとなっている。最下位からの巻き返しを図りたい今季は、キャッチフレーズのように貪欲に勝利を狙って行く姿勢が必要となるだろう。元々実績十分の選手がそろっているだけに、上位に食い込む可能性は十分。今季はオリックスの奮起によってパ・リーグがさらに面白くなることに期待したい。