「間違いなく良くなっている」― 5球団競合のソフトBドラ1田中正義の今

ロッテ佐々木が初勝利も「他人と比較してもしょうがない」

 ドラフト1位。大きな期待を一身に背負ってきた右腕にとって、現状はもどかしいはすだし、焦りがあってもおかしくはない。同期入団の他球団のルーキーたちが一足早く1軍の舞台に立ち、6日には、ドラフトで人気を二分したロッテの佐々木千隼投手が、昨季日本一の日本ハムからプロ初先発初勝利を挙げた。

 それでも、田中は「焦りとかはない」と言う。

「(佐々木は)気になるというか、同級生なので『おめでとう』という感じです。他人と比較してもしょうがない。自分は自分というか、自分の最善の道を探っていくしかない。それと人の結果は全く別なので」

 冷静に己を見つめ、現状を客観的に捉えている。

 誰もが、田中正義が剛腕を振るう日を待っている。その日のためには、田中自身が言うように、焦らず、納得いくまで、状態を回復させることが最優先だ。しばらくは続くであろう苦しい日々。その先に、本来の輝きを取り戻す瞬間がある。

【了】

福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani

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