“第2のイチロー”輩出、そして巻き返しへ― オリ最新設備の新施設がスゴイ
データだけでは勝てない―、イチローの入団当時も「夜中まで練習」
中村さんは、現在、大リーグのマイアミ・マーリンズに所属するイチロー外野手が入団してきた当時のことを振り返り、「ここから第2のイチローが生まれてくれたら」と期待を込める。
「イチローが入ってきた時に2軍を担当していましたが、イチローは本当に夜中に室内練習場で打っていました。当時からバッティングセンスは一流でしたね。神戸の青濤館でイチローが使用していた406号室のような部屋が、新たに生まれてくれたら嬉しいですね」
室内練習場のバッティングケージには、カメラとモニターがついており、自分で自分の映像を確認しながら打つことができる。ただし、最新の設備を整えた環境で、最先端のトレーニングを積むことは可能だが、「振る力はバットを振らなければつかない」という考えもある。
「データを入れたからといって、試合に勝てるわけではありません。データはあくまでも勝てるようにサポートするツールにすぎません。昔ながらのトレーニングとデータを駆使したトレーニング、お互いのいいところを取り入れる必要があると思います」
昨シーズン、最下位に沈んだオリックス。最新の設備が今後にどのような影響を与えていくのか――。第2のイチローの輩出、そして再び黄金時代へ。“昔ながらの練習方法”と新システムの融合で、オリックスが巻き返しを図る。
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篠崎有理枝●文 text by Yurie Shinozaki