日米で活躍の元右腕が語る好捕手とは 虎期待NO1捕手、12球団NO1の送球は誰?
若手揃う阪神の捕手陣、藪氏が期待するのは「坂本」
2005年以来のリーグ優勝、そして1985年以来の日本一を目指す阪神にとっても、捕手は重要なポジションだ。現在は、捕手登録の原口文仁が一塁を守っているため、梅野隆太郎が正捕手として投手陣をリードする。今季4年目を迎える25歳の梅野にとって、何よりも大事なのは「経験」だという。
「経験が大事。いろいろな場面や状況を経験して、バッター中心でいくのか、状況を中心でいくのか、ピッチャー中心でいくのか、その判断が早くできるようになるといいですね。サインを出してから構えるタイミングも経験。キャッチャーによっては構え方で球種が分かる人もいる。真っ直ぐの時は一生懸命ミットを突きだしているのに、変化球の時はミットが下を向くとかね(笑)。
阪神のキャッチャーで僕が注目しているのは、坂本(誠志郎)君ですね。一昨年(15年)のドラフト2位で、同じ年に1位入団した高山(俊)君と明治大の同期。今年は春に怪我をして、今は1軍にはいないけど、彼は肩がいいしブロッキングも上手い。打撃は練習では打たないけど、試合になったら、配球や状況を読みながら打てるタイプ。リードもいいですね。読みながら打てるから、配球にもリンクできている。彼が怪我から復帰して、梅野君とポジションを争うようになったら面白いでしょうね」
25歳の梅野と23歳の坂本。2人の若手捕手がポジション争いをしながら互いを高め、阪神投手陣の強みをより一層引き出せる存在になれば、1985年以来となる日本シリーズ制覇の日も近づくのかもしれない。
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佐藤直子●文 text by Naoko Sato