苦しむ前田健太 岩隈、ダルビッシュ、田中に“2年目のジンクス”はあったのか
田中は2年目の4月に負傷離脱もまずまずの成績
この年、岩隈は33試合で219回2/3を投げて14勝6敗、防御率2.66。ダルビッシュは32試合で209回2/3を投げて13勝9敗、防御率2.83、リーグトップの277奪三振。サイ・ヤング賞投票では岩隈が3位、ダルビッシュが2位に入った。“2年目のジンクス”とは無縁のシーズンを送っている。
一方、1年目のシーズン途中に右肘靭帯部分断裂で2か月半離脱した田中は、開幕投手を務めたものの、4回5失点で黒星。その後、2連勝を飾ったが本調子とはいえず、4試合目のタイガース戦に登板した後に右前腕部の張りなどで故障者リスト(DL)入り。約1か月半の離脱を余儀なくされた。右肘靭帯部分断裂を負う前の投球があまりに鮮烈だったため、辛辣なNYメディアの中には厳しい声もあったが、それでも4試合でWHIP0.94とレベルの高い数字をマークしている。
復帰後は好投を続け、24試合登板ながら12勝7敗、防御率3.51とまずまずの成績を残した。このシーズンは、メジャーへの適応のために開幕前からツーシーム主体の投球スタイルに取り組んだことも話題となった。そして、昨シーズンは31試合登板で14勝4敗、防御率3.07とエースとしての役割を果たしている。
ドジャースと8年契約を結ぶ前田。基本給が低く、試合数やイニング数に応じたインセンティブ(出来高)の割合が大きいという契約のため、結果を残して先発ローテーションを守ることが重要となってくる。現在、各球団で先発投手の柱として活躍する岩隈、ダルビッシュ、田中は2年目以降にメジャーにより適応し、むしろ相手の研究を上回る投球で好成績を残してきただけに、昨季確かな実力を見せた前田も正念場を迎えていると言えそうだ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count