乱打戦の春季高校野球東京大会決勝 終盤3イニングで両軍合わせて24得点
早実2点リードの7回表から逆転に次ぐ逆転の末、清宮の84号同点弾で延長へ
27日に行われた春季高校野球・東京大会の決勝戦。延長12回、試合時間が4時間を超える死闘の末に宿敵・日大三を18-17で破り、早実が35年ぶり秋春都大会連覇を飾った。史上初のナイター開催、早実・清宮の高校通算本塁打数など、試合開始前か注目の一戦となったが、ここまでの乱打戦になるとは誰も予想はしなかったはず。特に、7回表からの3イニングには、両軍合計24点を挙げる驚きの展開となった。
早実2点リードで迎えた7回表。日大三は2死から代打・溝口が左中間へ二塁打を放つ。1番・井上の中前適時打で1点を返すと、長谷川が四球で出塁。続く3番・桜井が右中間へ2点タイムリー二塁打を放ち、7-6と逆転に成功した。
7回裏、早実は先頭・雪山が四球も続く清宮が空振り三振。野村、福本の連打で1死満塁とすると、6番・小西がセンター前にタイムリーを弾き返して同点。さらに、7番・橘内の左越え二塁打で2点を返して9-7と勝ち越しに成功。代打・福嶋、9番・西田も連続タイムリーで続き、11-7とリードを広げた。
4点を追う日大三は8回、無死二塁から6番・日置の右越えタイムリーで1点を返すと、相手のミスに乗じて満塁の好機。ここから押し出し四球と併殺打で2点を加えて、1点差まで追い上げた。
何とか1点リードを守った早実は、8回裏に1死一塁から清宮が通算83号2ランを右翼へ運び、13-10とリードを広げた。
日大三は9回表に桜井のソロ弾で1点を返すと、2安打と四球で無死満塁の絶好機を迎える。1死後に8番・八木がタイムリーで1点差に迫ると、敵の暴投でラッキーな同点。9番・溝口のライト犠飛、1番・井上の二塁打、代打・大塚の左越え2ランで畳みかけ、この回一挙7点を挙げ、17-13と形勢を逆転させた。
だが、早実は9回裏も諦めなかった。四球と二塁打で無死二、三塁とすると、2番・雪山がライト前に適時打を運んで1点を返す。なおも無死一、三塁で打席に立った清宮は、2打席連続となる通算84号3ランを左中間へ叩き込み、起死回生の同点弾とした。
試合は延長戦へ突入し、12回裏、四球と2本の内野安打で無死満塁とした早実が、1死後に1番・野田が値千金の決勝適時打をセンターへ運んでサヨナラ勝利。史上に残るであろう乱打戦となった決勝戦にピリオドを打った。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count