肩、洞察力、基本技術…「イチローがMLB史上最高の選手」と恩師が語る理由

ピネラ氏の“記録”を破ったイチロー

 そして、メジャー1年目のオープン戦で流し打ちを繰り返していたイチローの打撃に一抹の不安を覚えたため、「引っ張るバッティングが見たいんだ」とリクエストしたところ、次の打席で初球を右中間のブルペンに運ぶホームランを放ったという有名なエピソードもあらためて披露した。

「イチローに関しては、ここにいる限り好きなようにプレーして、という感じだったね」と、恐るべきルーキー時代の伝説を笑顔で振り返ったというピネラ氏。マリナーズはこのシーズン、メジャー史上最多タイの116勝(46敗)を挙げるという無類の強さを見せた。

「いろいろな理由で、私はイチローに関してすごく嬉しかったんだ。彼は(全ての個人タイトルに)ふさわしかった。2つ目には僕からタイトルを奪ったんだ。イチローが来るまで、私は最年長の最優秀新人だったんだよ」

 現役時代に外野手だったピネラ氏は、ロイヤルズ時代の1969年にルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝いた。26歳での受賞は、イチローが27歳で同賞を受賞まで最長記録だったと言及(実際には2000年の佐々木、1950年のサム・ジェスローが32歳で受賞)。それでも、史上最高の名手と認める愛弟子に“記録”を奪われたことを、恩師は同紙の中で嬉しそうに回想していた。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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