「実力的には下の下」―人間性で名門を牽引 3季連続優勝を目指す明大新主将

「自分にとって大きすぎる存在」柳から掛けられた言葉

 リーダーシップとメンタルの強さが自分の強みだと自覚し、1年の時から気持ちを前面に出してプレーしてきたと振り返る。自分の長所を生かしながらチームに貢献することを意識しての行動だったが、思うように結果が伴わずに心無い言葉をかけられたこともあるという。そんな時、支えになったのは、昨年主将を務めていた柳の言葉だ。

「『お前は自分の持ち味があって、いいものがあるからここにいるんだ。深く考えずに、思い切ってやればいい』。そう言ってくれました。自分を認めてくれている人がいる。持ち味をわかってくれている人がいる。本当に嬉しかったです。柳さんはいろいろな人に声をかけているので覚えていないと思いますけど、僕にとってはとても大きな言葉でした」

 それ以来、周りの言葉に惑わされることなく、誰よりも声を出し、チームのために動いた。その姿が認められ「自分にとって大きすぎる存在」と尊敬する柳から、主将を引き継いだ。実力や結果を伴ってチームをまとめてきたこれまでの主将と立場が異なるため、練習には人一倍強い気持ちで取り組んでいるという。

「長打力もない。足が速いわけでもない。守備が上手いわけでもない。実力で引っ張ることができない分、1つ1つのプレーを丁寧に確実にこなさなければ、チームメートからの信頼も薄れるし、キャプテンとしての威厳もなくなります。常に不安はありますね」

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