イチローは狙えば本塁打を量産できたのか? 米メディアがデータを基に分析
イチローの「正しい」選択…「パワーヒッターになれたのか?」、可能性を探る
今季メジャー17年目のシーズンを迎えているマーリンズのイチロー外野手。通算本塁打数は115本ながら、打撃練習で柵越えをいとも簡単に連発することから、オールスターのホームラン競争に出れば優勝候補の本命と地元メディアで報じられることもある。マーリンズ移籍後、古巣マリナーズの本拠地セーフコ・フィールドに初めて凱旋した今季は、3連戦最終戦の4月19日に最終打席で本塁打を放つなど、節目での一発も多い。
アメリカの野球解析メディア「ファングラフス」では、このほど「イチローがパワーヒッターになることはできたのか?」とのタイトルで記事を掲載。イチロー自身が2007年に米メディアに対して「もしも、打率.220でよければ、40本打てるかもしれません。でも、誰もそれを望んではいない」と話していたいことを紹介した上で、安打製造機に対する「IF」を特集している。
今回の特集で抽出されたのは、ホームランに重要な要素となるインパクト直後の打球のスピードと打球の発射角度。42歳でシーズンインした2016年のデータから分析している。
まず、イチローの打席では、打球の発射角度では0~10度が最も多かったという。ゴロとフライの打球の割合は2対1。スピードを生かしたグラウンドボールヒッターのイチローだけに、メジャーの打者で28位の数値だったというデータが出ている。
比較対象となったのは「野球史上でも極端なフライボールヒッター」とされているパドレスのライアン・シンフ内野手。昨季メジャーデビューしたシンフは89試合で20本塁打を記録し、今季ここまで28試合で7本塁打をマーク。シンフが最高の打球の速度を記録した打撃では、発射角は30度に集中しているという。