千賀の力投支える24歳女房役、ホークスの未来を明るく照らす育成同期コンビ
2010年のドラフトでともに育成指名、甲斐が貫く真摯な姿勢
2010年のドラフトでソフトバンクに入団した千賀と甲斐。千賀が育成4巡目、甲斐が育成6巡目と、ともに育成選手としてプロのスタートを切った同期だった。一足早く2012年に支配下となった千賀は中継ぎとして1軍で結果を残し、先発に転向した昨季は12勝。今春のWBCで大活躍し、世界に名を轟かせる存在となった。
その千賀から遅れること1年。甲斐は2013年に支配下登録され、昨季は1軍で13試合に出場。今季から千賀、東浜が先発の際にスタメンで起用されるようになり、この日が18試合目の出場だった。
甲斐がホームゲームでヤフオクドームを後にするのは、たいがい選手で最後だ。この日も他の選手の車がいなくなり、がらんとした駐車場で、報道陣に対応した。「ミーティングもしますし、その後ストレッチだったり、道具を磨いたり。自分のやること、流れが決まっているので、それを崩さないようにしています。大事にしている時間なので」。配球のチェックに、投手とのコミュニケーション、そして体のケア……。オフの日にも、ヤフオクドームに姿を見せて練習に励む時もある。野球に真摯に取り組む姿勢が、今の輝きを支える。
千賀は今季初先発となった4月4日の楽天戦(Koboパーク)で4回7失点KOとなって以降、これで5戦5勝。その全試合で甲斐がマスクを被る。世界の「SENGA」と成長の足跡を示す甲斐拓也の育成同期コンビが紡ぐ勝利の物語。2人の24歳が、ソフトバンクの未来を明るく照らしている。
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福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani