長いトンネル抜けたロッテ 劇的勝利でナインに戻った笑顔
ここから巻き返しなるか―
オープン戦13勝2敗3分というぶっちぎりの成績で迎えたペナントレース。だが公式戦の10勝目は遠かった。チーム打率は2割に届かず、本塁打数、防御率も含め12球団ワーストの数字。新外国人のダフィー、パラデスは思うような結果を残せず、他の野手陣、そして投手陣も軒並み不振にあえいだ。16日には37試合目で早くも自力優勝が消滅してしまった。
だが、こういう苦境で意地を見せたのはエースだった。先発の涌井投手が9回139球の熱投。伊東監督は9回を内投手で想定していたが、すでに119球を投げていたエースから続投を直訴されたという。結果的に1死一、三塁で、野選の間に同点とされたが1死一、二塁から踏ん張り、勝ち越し点を許さなかった。「やっぱりエースだなと思った。連敗を止めるのは涌井しかいないんじゃないかと思った」と根元が振り返ったように、その気迫が結果的にサヨナラを生んだと言えるだろう。
借金は19と、まだまだ先は長い。だが快進撃を続けてきた首位の楽天からもぎ取ったこの1勝は大きい。勝利後、安どの表情だった伊東監督だが「これを明日につなげないといけない」と、すぐさま切り替えた。ここから、まさに“下剋上のロッテ”と言われるチームの底力を見せたい。
(記事提供:パ・リーグ インサイト)