QS率7割も今年のダルビッシュは「まだ序章」 元MLB右腕「サイ・ヤング賞も」
「上半身だけでも体重の半分くらいの重さがある」
縦回転の強い投球フォームでは、ボールにより「重さ」が加わる利点もあるという。
「捕手寄りの肩のラインが上がったフォームでは、より大きな上半身の動きが、下半身の動きに加わるんですよ。カーショーやリンスカムを見ても、上半身を使って一気に投げるでしょ。シャーザーも上半身をすごく前に倒します。かなり疲れる投げ方なんで、日本ではあまりやらない投げ方ですけど(笑)。
でも、上半身だけでも体重の半分くらいの重さがあるわけです。それがボールに伝われば大きい。上半身の重さが載った球はなかなか打てないし、腕だけじゃなくて上半身も前に倒せば、リリースポイントはより捕手に近づく。稲尾(和久)さんとか昔のピッチャーは、そういう投げ方をしてましたよね。腕だけでは投げていない。下半身も上半身も、身体全体を使った投げ方です」
次回以降、ダルビッシュはもちろん、投手の肩のラインに注意しながら、野球観戦しても面白いかもしれない。
【了】
佐藤直子●文 text by Naoko Sato