“未完の大器”も新天地で活躍 日米で活躍の右腕が積極トレードのススメ

メジャーでは活発なトレード、埋もれた選手発掘の一助に

 開幕から9週を終えた日本プロ野球は30日から交流戦が始まる。交流戦が始まって以来、ここでの勝敗がペナントレースの行方に大きな影響を及ぼすことはご存じの通り。対戦経験の少ない打者/投手に対して、また不慣れなDH(指名打者)あり/なしの試合で、12球団がどんな戦いを繰り広げるかに注目が集まる。

 ソフトバンクが優勝した昨季の交流戦は、城所龍磨が類い稀なる勝負強さを発揮したが、プレー環境が少し変わるだけで光る才能もある。阪神OBで元メジャー右腕の藪恵壹氏は、広島と熾烈な首位争いを繰り広げる阪神に「交流戦での岩田稔の起用」を提言。2011年以降を見てみると、11年は4戦2勝2敗で防御率1.80、12年は4戦3勝0敗で防御率2.52、14年は4戦1勝3敗で防御率3.76、15年は4戦で投げ1完投1完封を含む2勝1敗で防御率3.07と、パ・リーグ球団との相性の良さを見せている。「景色が変わると、輝きを取り戻すこともあるんですよ」と藪氏は話す。

 メジャーでは、6月になると頻繁に話題になるキーワードがある。「トレード」だ。7月31日にやってくるウエーバー手続きを経ないトレード期限を前に、上位チームは戦力補強に努め、下位チームは来季以降のチーム再建に向けて動くため、度肝を抜くような大型トレードが敢行されることもある。日本ではシーズン中のトレードはほとんどなく、オフシーズンのトレードも数えるほど。ドラフトされた球団で選手生命を全うするのが通例だが、藪氏は「選手のことを考えれば、もっとトレードをした方がいい」と話す。

「どの選手も才能を認められてプロ入りしている。同じポジションの選手が複数いたり、ブレイクのきっかけを逃してしまい、長らく控えや2軍でくすぶっている選手も多いんです。いい人材が埋もれている可能性は高い。環境が変われば生きる選手もいますから。日本でも積極的にトレードをした方がいいと思いますね」

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