“未完の大器”も新天地で活躍 日米で活躍の右腕が積極トレードのススメ

巨人では“未完の大器”と言われた大田泰示、新天地日本ハムでは大活躍

 好例は、昨年11月に巨人から日本ハムへトレード移籍した大田泰示だろう。巨人ではブレイクしきれずに“未完の大器”と言われた大田だが、新天地へ移った今季はチームに不可欠な戦力として大活躍している。

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阪神OBで元メジャーリーガーの藪恵壹氏【写真:岩本健吾】

「環境を変えるのは、選手にとっていいこと。もちろん、1つの球団でプレーし続けることも素晴らしい価値観です。ただ、僕は阪神でプレーした後、アメリカやメキシコを経て日本に戻り、楽天でプレーさせてもらいました。現役を辞めてから思ったのは、いろいろな球団を知っておいてよかったということ。球団はそれぞれの色を持っていますから。

 日本でトレードが少ない理由の1つに、『自分たちがドラフトした選手が他球団で活躍したら困る』という球団の意向もあると思います。でも、それは選手を飼い殺しにするだけで、選手のためにはならない。トレードは球団同士の需要と供給が合わないと実現しないので、簡単にはできないかもしれないけど、メジャーのようにルール5ドラフトのようなものを取り入れるのも1つの手ですよね」

「ルール5ドラフト」とは、メジャーで採用されている他球団の所属選手を指名して獲得できる制度だ。毎年12月に開催されるウインターミーティングの最終日にドラフトが行われ、対象となるのはマイナー契約選手。球団は3Aレベルの選手を獲得した場合、翌年はシーズンを通じてメジャー25人枠に登録しておかねばならず、25人枠を外す場合は元の球団に選手を返還しなければならない。マイナーで飼い殺しになる選手を減らす目的がある一方、球団も注目していた選手を“試せる”利点がある。

 イチローや田澤純一の同僚ジャスティン・ボーア(マーリンズ)、ダルビッシュ有の同僚デライノ・デシールズJr(レンジャーズ)も、ルール5ドラフトで移籍した新球団で秘めた才能を開花させた例だ。

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