四国IL徳島を就任半年で優勝に牽引 海外経験豊富な国際派監督の教えとは
就任1年目に優勝、徳島・養父鐡監督の教えとは
四国アイランドリーグplusは、5月28日に2017年前期シーズンを終えた。前期を制したのは徳島インディゴソックス。21勝9敗4分けで勝率.700の成績で、2位高知ファイティングドッグスに4ゲーム差をつけて優勝した。就任わずか半年でチームを頂点へ導いた養父鐡監督に優勝の喜びを聞いた。
――養父監督は就任から半年で、チームを優勝に導きました。
「去年後期は最下位でした(前後期通算では2位)。中島輝士監督が退任されて、僕が就任したのですが、シーズン前に見た時は、打線は破壊力があってすごく強いと思った。でも、軸となる投手がドラフトで2人(福永春吾・阪神6位、木下雄介・中日育成1位)が指名されたために(今季の戦力が)見えなかった。そこで去年、力はあったのにドラフトにかからなかった松本憲明を軸にして、新しい選手も入れて立て直したんです。それがうまくいった感じですね。
でも、一番大きな要因は、僕と一緒に入ってきた鈴木康友コーチと、去年からいた駒居鉄平コーチのチームワークが良かったことではないでしょうか。鈴木コーチが50代、僕が40代、駒居コーチが30代と世代は違いますが、監督とコーチの和ができた、いい空気になっていたから優勝したのではないかと思います」
――選手を指導してみて、どんな感想を持ちましたか?
「ここにいる選手は、ずば抜けた子は少ないですね。途中で野球をやめたり、いろんな事情を持っていたりする選手も多い。そういう選手たちに、いかにやる気を出させるか、を考えていました。監督というよりマネジメントに近いかもしれません。
基本的にはプレーをするのは選手たちなので、言うべきことがあれば、上から押し付けるのではなく選手に歩み寄りました。ガンと押さえつけるようなことは、僕はしません。私自身は、そういう指導法も経験してきましたが、そういう形でできるようになっても、選手のためになるのかな、と疑問を持っています。
プレーしているのは君たち。君たちが自分で考えるべき。そういう意味も込めて、今年のスローガンを『プロフェッショナリズム』にしたんです。プロとは、自分たちで考えてプレーできる選手のこと。自分で行動が起こせて、結果が出せて、なおかつお客さんが喜べるよう(な選手)になるのが一番です。去年活躍できていなかった投手が何人か、今年はいい防御率を残せるようになった。キャンプ中からいろいろ話をして、すごく成長が感じられた3か月でした」