楽天・則本がプロ野球記録樹立 “平成のドクターK”たちの2桁奪三振数は?
奪三振にまつわる様々記録を掘り起こす則本の凄さ
記録継続中の投球内容で特筆すべきは、則本の勝ち星の多さだ。奪三振の多さが必ずしも勝ちに結び付くとは限らないが、則本はその登板のほとんどでチームを勝利に導いている。
先発投手と救援投手の分業制が進んだ現在。則本は1990年代前半に活躍した野茂より投球回で見劣りするが、その分、奪三振の割合も高くなっているのが特徴だ。ただし、野茂が6試合連続2桁奪三振を記録した1991年のパ・リーグの打者全体の三振率は14.9%で、今季の18.0%とは違いがあった。今よりも三振が多くなかった時代に記録を作ったのだから、やはり野茂の奪三振能力はずば抜けていたと言える。
奪三振が代名詞だった野茂は新人だった1990年に27試合に先発し、そのうちの21試合で2桁奪三振(プロ野球記録)を達成した。恐ろしい割合ではあるが、現在の則本のペースであれば追い付き、追い越すことも夢ではない。
上記の投手の通算2桁奪三振試合数は、野茂が通算134先発で達成した70試合が最多となっている。NPB在籍わずか5年でのこの記録はアンタッチャブルの領域だが、同じく今季が5年目となる則本は117先発中28試合とあって、キャリアを積み重ねれば杉内の60試合(309先発)やダルビッシュの52試合(164試合)も視界に入ってきそうだ。奪三振にまつわる様々な記録を掘り起こす則本は、これらの記録にどこまで迫ることができるか。今後の投球にも注目していきたい。
(記事提供:パ・リーグ インサイト)
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「パ・リーグ インサイト」藤原彬●文