選手からは「ポリスマン」の異名 異色経歴の西武広報担当が秘める思い

栗山の姿勢に感服「プロ意識が本当に高い」

「自分は実業団の選手ですから『企業に守られている』という意識がありました。そこに甘えていたところはありましたね。アイスホッケーは多くても週に3試合ですが、野球は週に6試合、時にはもっと長い連戦もあります。野球に取り組む姿勢だけではなく、調子が悪い時にどうやって気持ちを切り替えるか。プロは切り替えも上手くやっていると思います」

 中でも、昨年プロ15年目で初めてのオールスター出場、5月21日のソフトバンク戦ではプロ入り初となるサヨナラホームランを放った栗山巧外野手の野球に対する姿勢は目を見張るものがあるという。

「調子が悪かった日でも『明日のために』と試合が終わってから、夜遅くまで室内練習場で打っていることがあります。一つ一つの練習や、試合に入る前、打席に立つ前など『考えて行動しているんだろうな』というのを近くで見ていて感じます。

 試合に出ていないときでも、出ているときと同じようにトレーニングをして準備し、試合中は打っても打たなくても、ベンチに戻ってくると自己分析をしていますね。だから、あの年齢になってもいいパフォーマンスができる。『プロ意識が本当に高いな』と思います」

 アイスホッケーの選手として4度の優勝を経験した松浦さん。競技は異なるが、今はライオンズの球団職員として優勝の瞬間を味わえることが幸せだと話し、2008年以来遠ざかっている日本一の瞬間を、たくさんのファンと共に喜び合える日を待ち望んでいる。

【了】

篠崎有理枝●文 text by Yurie Shinozaki

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