選抜覇者・大阪桐蔭にスキなし、公式戦16連勝「それでも相手を圧倒したい」
近畿大会決勝では東海大仰星を投打で圧倒
3本の本塁打で威圧感を与えたセンバツの決勝もそうだったが、ここぞという大一番で力を存分に発揮する。4日の決勝戦でも、勢いに乗る東海大仰星に初回から投打で圧倒し、8回には根尾昂の満塁弾が飛び出すなど最後まで攻撃の手を緩めなかった。相手に怯んだ姿などまったく見せない。「ここまでやられるとどうしようもない」と相手に思わせるほど、したたかな戦いぶりだった。
これで春の公式戦はすべて終了した。大阪桐蔭は春の近畿大会を制した12年、14年は、いずれも夏の甲子園で優勝している。今年のチームも、この流れから言うとそうなるのか――。それでも西谷監督は「大阪は強いチームがたくさんいるので、そんなに簡単にはいきません」と謙遜する。
もちろん、他のライバル校も黙ってはいない。センバツの決勝で戦った履正社だけでなく、昨夏は3回戦で敗れ、今春も苦しめられた関大北陽、好左腕が揃う大体大浪商、上宮太子、上宮、近大付、この春2度戦った東海大仰星…そして公立高校でも好投手を擁すチームはたくさんいる。夏はあの手この手を使い、王者を倒しにくるだろう。
「それでも相手を圧倒していきたい」という根尾の言葉に、大阪桐蔭の自信とプライドがにじんでいるようにも見える。全国屈指の激戦地として数えられる大阪の戦いは、今夏一層激しい戦いが予想されるが、王者には今のところスキは見当たらない。
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沢井史●文 text by Fumi Sawai