「イッツゴーン」に大反響 日ハム実況担当アナウンサーが英語を使うワケ

選手からも「“ゴーン”を打ちたい」―スポーツアンカー近藤さんが”英語実況”に込める想い

 日本ハム主催試合の実況中継が面白い。スポーツ専門チャンネル「GAORA」のスポーツアンカーを務める近藤祐司さん(43)が多用する英語はとても印象的だ。

「イッツゴーン(It’s gone)!」は本塁打が飛び出した時の決め台詞。3者凡退に抑えた時には「ワン、ツー、スリー(One two three)」。メジャーリーグの現地中継でよく聞かれる用語を使った実況は、小気味が良くて、耳になじみやすい。選手からも「“ゴーン”を打ちたい」という言葉が聞こえてくるほど浸透し始めている。ファンからも好評で「パ・リーグTV」には「It’s gone!!まとめ」が登場。近藤アナの絶叫を集めて編集された動画が大きな話題となっている。

 これまでの日本の野球中継とは一線を画す新たな実況スタイルはどうやって生まれたのか。近藤さんの思いに迫った。

「僕は、スポーツの会場は非日常空間、普段の生活とは一線を画す空間だと思っているんです。だから、実況も単に打ったとかだけじゃなくて、もっとお祭り感というか、特別な会場だというのを伝えていきたいと常に思っています。

 お祭りというイメージかな。子供のころからアメリカでずっと見ていたんですけど、スポーツの会場がお祭り会場だったんですよ。だから、会場に対する特別感は常に持っています。野球に限らず、どのスポーツでもいろんな人が集まる非日常空間。それをうまく表現していきたいなと思っています。

 その中でもホームランは特別なものだと思っています。流れを変えるお祭りのメインイベントの一つ。それを強調して、ちょっと派手でも伝えようと。選手にとっても、多い選手は何本も打つけど、たまにしか打たない選手もいるし、人生のハイライトの一つ。花を手向けるというか、お祝いの儀という感じで盛り上げたいと思っています」

 小学生時代のほとんどをグアム島で過ごし、高校時代にはサンディエゴにアメフト留学した近藤さんは、当時からアメリカのスポーツ実況に馴染みがあった。現在は日本ハムの試合のほか、メジャーリーグやNFL、NBAなど年間180試合の実況を担当。アメリカの試合はアメリカの中継を見て同時通訳しながら実況をするため、現在進行形で本場の実況に触れている。それらの体験が現在の実況スタイルのベースだ。

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