日本人選手に通訳は必要か 田中将大への“苦言”が波紋、経験者の考えは?
通訳を本当に必要としてるのは? 「選手が100%求めているというよりも…」
新川氏が指摘するように、MLBは通訳の帯同を認めているという事実もある。つまり、ルール上では全く問題はないわけだ。そして、新川氏は通訳を必要としているのはむしろチーム側だとも言及する。「選手が100%求めているというよりも、MLBの規定で認められているものなので、ピッチングコーチがマウンドに行った時に自分のメッセージをしっかり伝えたいというのもある。(通訳が付くのは)そういう要素のほうがむしろ強いと思います」。意思疎通のミスがなく、誤解のないようにコミュンケーションを図りたいのは当然、選手だけではない。
「自分も投手コーチと一緒にマウンドに行ったことがありますが、(選手が)集中して試合に入っている時に通訳の顔を見ると、現実に引き戻されるようなこともあるのではないかと思います。なので、必ずしも必要かというと、選手それぞれの意見、意思があると思います」
通訳の帯同を「禁止すべき」とするレミー氏の主張は、現状のMLBのルールを否定するものだ。批判を浴びた本人が反省し、謝罪しているという事実もある。その国の言語で完璧なコミュニケーションを取れるに越したことはない。ただ、選手が最大限の力を発揮できるようにするにはどうするべきなのか。最も重要なのは、監督・コーチ、そして選手のために最高の環境を整えることだろう。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count