契約打ち切り“危機”から広島“最強助っ人”に 大砲エルドレッドを支えたもの
「タイトルや数字は、全てが終了してからついてくるもの」
緒方監督が就任後の15、16年も19、21本塁打を記録し、一発で状況を変えられる打撃は存在感抜群だ。昨年オフには2年契約を結び、契約を満了すれば、ジム・ライトルが持つ球団の外国人所属年数の最長記録を更新することになる。
「3本も打つなんて、びっくりしたよ」という緒方監督は「日本に慣れて、いろいろな経験をして、今年は安定した成績を残している。存在は大きいよ」と信頼を寄せている。
3連発で21本塁打はリーグトップに並び、打点もトップのロペスに3点差の57打点と、14年以来のタイトルも視野に入ってきた。昨年までの5年間で100 試合以上に出場したのは一度だけと、故障が多い選手でもあるが、1日の試合では4打席連続本塁打を逃した7回終了でベンチに下がった。守備固めの意味もあるが、シーズンの先を見据えた選手起用でもある。緒方監督は「体調面の問題があるので、そこは考えてながら起用している。これからもコンスタントに、甘い球を一発で仕留めてくれればいい。最後までしっかりやってもらいたいね」と期待する。
「タイトルや数字は、全てが終了してからついてくるものだと思っている。シーズン中は考えない。とにかくチームの勝利に貢献したい」というエルドレッドだが、個人タイトルがチームの連覇に導く大きな力になるはずだ。
(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)