タイトル獲得がスターへの登竜門、パ・リーグ過去10年の新人王たちの現在

ヤンキース・田中将大【写真:Getty Images】
ヤンキース・田中将大【写真:Getty Images】

2007年受賞の田中将大投手はメジャーで活躍

 その年、最も優秀な成績を収めた新人選手に贈られる「最優秀新人」の称号。野茂英雄氏(元近鉄)や松坂大輔投手(福岡ソフトバンク)といった選手たちも獲得した、いわばスター選手への登竜門ともいえる賞だ。では、かつての新人王たちは、今季どのような成績を収めているのか。パ・リーグの受賞者の過去10年を振り返ると、現在も日本球界でプレーしている選手は7人。今回は、この7選手の活躍ぶりをそれぞれ見ていこう。

【過去10年のパ・リーグ新人王】※所属球団は表彰年度のもの

2007年 田中投手(楽天)
2008年 小松氏(オリックス)
2009年 攝津投手(福岡ソフトバンク)
2010年 榊原氏(北海道日本ハム)
2011年 牧田投手(埼玉西武)
2012年 益田投手(千葉ロッテ)
2013年 則本投手(楽天)
2014年 石川投手(千葉ロッテ)
2015年 有原投手(北海道日本ハム)
2016年 高梨投手(北海道日本ハム)

○攝津投手(福岡ソフトバンク)
今季成績:5試合0勝2敗、24回2/3、14奪三振、防御率6.93

 ルーキーイヤーの2009年は70試合に登板し、5勝2敗、34ホールド、防御率1.47という成績を残して、新人王と最優秀中継ぎ投手に輝いた攝津投手。翌2010年も71試合に登板して38ホールドを挙げ、当時チームメイトであったファルケンボーグ投手とともに、2年連続で最優秀中継ぎのタイトルを獲得した。

 2011年から先発に配置転換されると、いきなり14勝を挙げる活躍を見せる。さらに2012年には、キャリアハイの17勝をマーク。防御率は1.91と驚異の安定感を誇り、福岡ソフトバンクの投手としては2006年の斉藤和巳氏以来となる沢村賞に輝いた。

 2011年から2015年まで5年連続で2桁勝利を記録し、2012年から2016年まで5年連続で開幕投手を務めるなど、長年チームを支えてきたが、昨季の登板は7試合、勝ち星も2つにとどまった。再起を懸けて望んだ今季も、5試合に先発して白星なしと苦しい投球が続き、5月24日の千葉ロッテ戦を最後に1軍登板から遠ざかっている。

 近年の攝津投手の不振の原因として、以前と比べて制球に苦しんでいることが挙げられる。沢村賞に輝いた2012年の与四球率(9イニングあたりの与四球数)は2.51だったのに対し、連続2桁勝利が途切れた2016年シーズンが3.16、今季は3.65と、明らかに数字が変化している。往年の制球力を取り戻し、武田投手や千賀投手など実力のある若手投手が続々と復帰してくる中で、再び出番をつかみ取りたいところだ。

楽天則本はメジャー記録に並ぶ8試合連続2桁奪三振をマーク

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