タイトル獲得がスターへの登竜門、パ・リーグ過去10年の新人王たちの現在

楽天則本はメジャー記録に並ぶ8試合連続2桁奪三振をマーク

○牧田投手(埼玉西武)
今季成績:34試合1勝2敗、21ホールド、38回、防御率0.71

 ルーキーイヤーの2011年当初は先発を務めたが、シーズンの途中で中継ぎに配置転換されると、その後に抑えとして定着。結果的には55試合に登板して5勝7敗、1ホールド、22セーブ、防御率2.61と大車輪の活躍で最優秀新人に選ばれた。翌年は再び先発に回ると、1年を通してローテーションを守り抜いてチームトップの13勝を挙げる。以降は先発、中継ぎと様々な役割をこなしながら、貴重なサブマリンとして埼玉西武投手陣を支えている。

 2016年からは中継ぎに専念。同年3月26日のオリックス戦には、立ち上がりに崩れた十亀投手に代わってマウンドに上がると、6イニングスを無失点に抑え、チームの逆転勝利を呼び込む好投を見せた。今季は主に7回を任され、開幕から16試合連続自責点0と抜群の安定感を披露。ここまで30試合を超える登板数ながら防御率はいまだに0点台と、埼玉西武救援陣の中で圧倒的な存在感を放っている。

 なんといっても光るのはその制球力。38イニングスを投げて与えた四球は、わずかに2個。さらに、強気な内角攻めゆえに毎年10個前後記録していた与死球はここまで0と、抜群のコントロールを見せ付けている。

○益田投手(千葉ロッテ)
今季成績:29試合0勝3敗、3ホールド、8セーブ、29回、防御率4.66

 独特のトルネード投法から放たれるシンカーを武器に、ルーキーイヤーから72試合に登板した益田投手。翌2013年には抑えに配置転換されると、68試合登板で33セーブを挙げ、セーブ王のタイトルを獲得した。2014年シーズンからは、チームメイトの西野投手が抑えに定着したため、再び活躍の場を中継ぎへ。2014年、2015年はそれぞれ52試合、51試合と登板数を重ねてきた。

 昨季は当初こそセットアップを任されていたが、西野投手の故障離脱に伴って、再び抑えのポジションに戻ると、安定した投球で14セーブをマーク。今季もフル回転が期待されたが、4月14日の埼玉西武戦でメヒア選手に逆転2ランを浴びるなどのセーブ失敗が相次ぎ、現在は守護神の座を内投手に譲っている。

○則本投手
今季成績:13試合9勝2敗、95回、126奪三振、防御率3.03

 田中投手(現ヤンキース)が第3回「ワールド・ベースボール・クラシック」に出場した影響で、2013年はルーキーながら開幕投手を任された則本投手。シーズンを通して先発の軸として活躍し、田中投手が脅威の24連勝を果たす一方で、それに次ぐ15勝を挙げて、球団史上初の日本一に貢献した。翌2014年には自身初となる200投球回、200奪三振を達成。田中投手移籍後の楽天でエースとして君臨した。その後も毎年200を超える三振を奪い、3年連続の奪三振王に輝いている。

 今季に入り、則本選手の奪三振能力はさらに向上し、記憶に新しいように6月1日の巨人戦では日本新記録となる7試合連続2桁奪三振を達成。メジャーリーグ記録に並ぶ8試合連続2桁奪三振もマークし、すでに奪三振数はリーグ単独トップとなる126。今季から新たに加入した岸投手、そして美馬投手とともに、首位を走る楽天先発の三本柱を形成している。

 また、今季の則本投手はコントロールも安定しており、ここまでの死球は0。本人が語るように「直球のキレが上がったこと」に加え、正確に内角を突くことができていることも、奪三振量産の秘訣と言えるのではないだろうか。また、6月26日のオリックス戦まで10試合連続で7回以上を投げていることにも注目したい。チームの勝利に対する貢献度の高さは、まさしくエースの名にふさわしい。

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