武南のプロ注目右腕、2回戦敗退も評価下がらず スカウト「魅力ある素材」
進路決定はこれから「親とも相談したい」
武南は9回、1死二塁に続き2死三塁とサヨナラの絶好機をものにできず、延長10回に決勝点を献上。2死から連打と三塁手の失策で満塁とされ、3番・飯野優太(3年)の強烈な打球を名手の石川大成遊撃手(3年)が弾いてしまい、痛恨の失点。布川は「味方の責任ではない。あそこも抑えてやろうと思ったが、相手にうまく捉えられた。自分の力不足です」とチームメートをかばった。
187センチの大型右腕は昨夏も背番号1を付け、西武文理に敗れた4回戦まで全3試合に完投したが、今年の夏はあまりにも早く、一瞬で過ぎ去った。
それでも評価は下がらない。この日もプロ野球各球団のスカウト陣が視察に訪れ、日本ハムの今成泰章氏は「142キロがきょうの最速だったかな。素材としては魅力がある」と述べた。
進路を決めるのはこれからだ。「どの道に進むのかは親とも相談したい」とプロ、大学、社会人の三者択一に慎重に臨みたいとした。
高校球児はいつもすがすがしい。全力疾走と礼儀正しい振る舞いが人々に共感される。3年間を振り返って布川は、「つらいこともあったけど、みんなのおかげでここまで来られた。周りの支えがあったからこそ、ここまで来ることができました」と丁寧な謝辞で締めくくった。
(河野正 / Tadashi Kawano)