最高身長と40センチ差 今季奮闘続く支配下“最小兵”が生きる道
俊足に堅実守備、打者としても成長する「縁の下の力持ち」
そんな水口の持ち味は、50メートル6秒を切る俊足と、小回りの利く身体を生かした堅実な守備だ。今季は4月29日に1軍昇格し、その日の千葉ロッテ戦で即スタメン出場。第1打席でいきなり安打を放つとすかさず盗塁も決め、ファンの心に強くその存在を印象付けた。以降は1軍に定着し、終盤の代走や守備固めとして出場機会を得ている。
今季は打者としての成長も著しく、高いミート力を生かした堅実な打撃で、今季の成績は40打数14安打3打点、打率.350。三振はわずか「5」である。また、5月20日の福岡ソフトバンク戦にスタメン出場すると、自身初となる二塁打を放って勝利に貢献。今後はバットでのさらなる活躍にも期待が持てるだろう。
スターティングメンバーには強打者が多く揃っており、豪快なイメージの強い埼玉西武打線だが、主力選手だけではシーズンを通して現在の順位を保っていくのは難しい。チームのさらなる浮上のためには、主力を「裏」から支える存在が欠かせないことを忘れてはならない。1軍の舞台で野球をするための苦労と、憧れの場所でプレーをしているという充実感。28歳にしてその両方を知っている水口が、次第にチーム全体に疲れが見え始める後半戦の支えとなれるか。小さな「縁の下の力持ち」から、これからも目が離せない。