“平成唯一の3冠王”松中信彦の今 新たな挑戦への第一歩、その心境とは

ベースボールアカデミーで小・中学生にバッティングの技術指導を行う松中信彦氏【写真提供:トータルワークアウト】
ベースボールアカデミーで小・中学生にバッティングの技術指導を行う松中信彦氏【写真提供:トータルワークアウト】

指導者としての道を歩み始めた松中氏

 平成唯一の3冠王、元ソフトバンクの松中信彦。2016年に19年間の輝かしい現役生活に幕を閉じ、引退した稀代のスラッガーが、2017年5月末、第2の人生をスタートさせた。テレビ、ラジオなどでの解説を務める一方で、指導者としての道を歩み始めた。

 松中氏といえば、2004年に打率.358、44本塁打、120打点をマークし、プロ野球の歴史で7人(11度)しか成し遂げていない、打者として最高の栄誉である3冠王を獲得。その前年、2003年にも123打点で打点王、そして2005年も46本塁打、121打点で本塁打と打点の2冠、2006年には打率.324で首位打者を獲得。首位打者2回、本塁打王2回、打点王3回と数々のタイトルを手にした。

 西武時代の松坂大輔との名勝負の数々や、2011年のクライマックスシリーズでの代打満塁本塁打、そして4番として日本を初代王者に導いた2006年のWBCなど、数々の記録、記憶に残る活躍を残した大打者である。

 その松中氏の姿が5月末、福岡市内のトレーニングジムにあった。福岡の中心部、中洲にあるビルに居を構える「トータルワークアウト福岡」。このジム内で小・中学生を対象とした「松中信彦ベースボールアカデミー」を開校させたのだ。

 引退を表明した際に、指導者への思いを語っていた松中氏。だが、プロを相手とした指導ではなく、なぜ小・中学生を対象としたアカデミーの設立に至ったのか。

子供たちを教えることで増える「引き出し」

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