“平成唯一の3冠王”松中信彦の今 新たな挑戦への第一歩、その心境とは

第2、第3の松中育成へ―、指導者としての第一歩「自分にとっては良かった」

 体も、技術のレベルも違う小学生と中学生。それぞれに合った形のメソッドも用意するという。

「小学生はやっぱり楽しくやらないといけない。まずは野球の楽しさというものを伝えたい。中学生でも、ある程度のレベルにある子には基礎、基本を教えてあげられる。『こうしなきゃ打てない』ではなく『こういう時はこう』『こういうタイプはこう』というそれぞれのタイプに合わせた形で教えていってあげたい。

 あとは何を目指すか、ですね。甲子園に行きたいのか、プロに行きたいのか、という部分でも違ってくる。高校生でマックスを目指すなら、今からウエートをやることも必要かもしれない。でも、プロを目指すなら今は基本的なトレーニングをやる、基本のスイングを身につけようということになります」

 今冬には「学生野球資格回復研修会」へ参加する予定で、高校生の指導が出来る指導者資格の取得を目指すという。「将来的には、プロの指導者をやりたいという思いはあるけど、自分はプロだけしか見ないよ、ではいけないと思う。基本に戻って、小・中学生を教えるというのが、指導者としてのスタートとして、自分にとっては良かったと思っています」。

 指導者としての道を歩み始めた松中氏。その教え子から、3冠王を取るような第2、第3の松中が育ってくることを期待したい。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY