「何だ、今の?」 ホークス千賀の代名詞「お化けフォーク」誕生の秘密
突然「劇的に」落ちたフォーク、同じ握り「あまりいないかも」
「中継ぎになるならば、真っすぐ以外にもう1個、信頼出来るボールが欲しいな、と。その中で、全然使えないフォークをどうにかしたいと思ったんです。12年と13年の間のオフに(中日の)吉見さんと自主トレしたときに、練習の仕方とかを教わりました。そこから、それを意識して練習していったら、ふと落ちるようになったんです。劇的に、です。投げていて、いきなりファッと落ちるようになった。『何だ、今の?』ってなりました」
突然、見たこともない落差で落ちたフォーク。その感覚を忘れないように、意識しながら練習を積み重ねていった。「(変えていたのは)投げる意識とかですね。腕を振るのはもちろん、真っすぐよりも腕を振るイメージです」。
様々な握りを試し、行き着いたのは、人差し指だけを縫い目にかけるというもの。現在チームメートの中田賢一も同じ握りだというが、それでも「あまりいないかもしれない」という握り方だという。
完全に武器として定着した今も、投げる際にはストレートを投げる時よりも、腕を強く振ることを意識している。「それくらいじゃないと、誤魔化せないんです。あれだけ変化するので、打者も分かる人は分かってしまう。腕を振って、誤魔化しています」。
もちろん努力の賜物ではあるものの、ある意味、突然変異で誕生した「お化けフォーク」。ファン投票1位に輝いた千賀は、14日の第1戦で先発する。世界を驚かせた落差を誇る武器で、セ・リーグの打者のバットに空を切らせる。そんな場面が数多く起きることを、ファンも楽しみにしている。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)