日本ハムの小さな大投手 身長167センチ・谷元圭介が挑む夢舞台
今年6月に国内FA権を取得、長年チームを支えてきた証
3年目となる2011年には、47試合に登板して防御率2.47という安定感を見せ、1軍戦力としての足場を固めた。以降はチーム状況に応じて先発やロングリリーフなど、与えられた役割を着実にこなし、首脳陣の期待に応えると、再び中継ぎに専念した2014年は52試合に登板して5勝1敗、12ホールド1セーブ、68回、防御率1.59。初めて2桁のホールドも記録し、勝ちパターンとしての地位を確かなものにした。
プロ8年目を迎えた2016年、幾度となくチームを救ってきた谷元が、シーズンの明暗を分ける局面でその真骨頂を見せる。僅差で首位を争う福岡ソフトバンクとの大一番となった9月21日、1点リードながら1死二、三塁と絶体絶命の状況で出番が巡ってきた。シーズンのすう勢を決めかねない局面で、谷元は好守にも助けられながら後続の2人を打ち取り、チームを首位に導く値千金のセーブを挙げた。
この勝利で勢い付いた北海道日本ハムはそのままリーグ優勝を成し遂げ、クライマックスシリーズも制覇して日本シリーズへと駒を進める。そして3勝2敗と王手をかけて迎えた日本シリーズ第6戦、6点リードで迎えた最終回のマウンドには、谷元の姿があった。かつて、ドラフト7位でプロの門をくぐった小柄な投手は、最大11.5ゲーム差をひっくり返して日本一に輝いたチームの胴上げ投手となった。
谷元は、今年の6月21日に国内FA権を取得。この権利は北海道日本ハムのブルペンに欠かせない存在として、長年チームを支えてきた証でもある。
アマチュア時代の低評価を跳ね除けて、日本野球最高峰の舞台で戦う谷元投手が、自身初の夢の球宴でどのような投球を見せてくれるのか。「まさか選ばれるとは思いませんでした。小さい頃からテレビで見ていたので本当に楽しみです」と語る小さな大投手が、苦難の末に辿り着いたマウンドで躍動する姿に期待したい。
(記事提供:パ・リーグ インサイト)
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「パ・リーグ インサイト」望月遼太
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)