ホークス東浜、パトップタイの白星も「勝とう勝とうと全く思っていない」
後半戦初戦で9勝目、「勝ちを意識しない」ことも今季好投の要因に
大黒柱と呼ぶに相応しい投球だった。後半戦開幕投手を託されたソフトバンクの東浜巨投手。17日の西武戦(ヤフオクD)で先発のマウンドに上がると、8回途中まで投げて5安打1失点と好投し、ハーラートップに並ぶ9勝目をマークした。「最後に死球はありましたけど、四球なくストライクゾーンで勝負出来たのは良かった。低めに丁寧に投げることを心がけた」と振り返った。
初回を簡単に三者凡退に切るスタート。3回にメヒア、外崎の連打などで1死二、三塁とされると、秋山の一ゴロの間に先制点を与えたものの、失点はこれだけ。4回、7回と先頭打者をヒットで出したが、後続を併殺打に切った。8回も先頭の山川に中堅フェンス直撃の二塁打を浴びたが、メヒア、外崎を連続空振り三振に。代打・炭谷に死球を与えたところで交代となったが、2番手・嘉弥真が秋山を空振り三振に取った。
昨季も、7月18日のオリックス戦(ヤフオクD)で後半戦開幕投手を任されていた右腕。その時は5回途中6安打5失点でKOされていただけに「去年はノックアウトを食らっている。今年はそれだけはないようにと思っていました。接戦で勝てたというのは、自分にとっても大きい勝利」とした。
和田、千賀、武田が負傷で先発ローテを外れる中で、開幕からローテを守る。楽天・則本に並ぶリーグトップタイの9勝目をマークしても「開幕から、しっかり自分の仕事をすることだけを考えてやっている。勝ちを意識していない。自分の与えられた役割、仕事をすることだけを考えて、1年やっていきたいと思っている。何勝しているとかは意識していません」という。それどころか「勝とう勝とうと全く思っていない」ことが好投の要因にはあるという。
昨季は後半戦で失速し、自身初の2桁勝利をあと1歩で逃した東浜。早々とその10勝に王手をかけた。今季の働きは、先発で誰よりも安定したピッチングを見せており、その姿には安心感、風格すら漂っている。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)