東海大市原望洋のプロ注目147キロ右腕が決勝2ラン「自分で取り返したかった」

東海大市原望洋エース金久保が延長10回に決勝2ラン

 プロ注目の東海大市原望洋147キロ右腕・金久保優斗投手が“自作自演”でチームを準決勝に導いた。22日、ZOZOマリンで行われた全国高校野球選手権千葉大会の準々決勝、専大松戸戦。今年のセンバツ出場校の東海大市原望洋はAシードの専大松戸相手に9回に相手の暴投などで追いつき、延長10回に金久保の決勝2ランで7-5と競り勝った。

 16日の3回戦・船橋二和戦で2番手で登板した金久保は21日の千葉明徳戦で初先発初完投。連投のマウンドとなったこの日は制球力を欠いた。2-1の6回には先頭を歩かせ、2死から死球で走者をためると、逆転三塁打を浴びた。7回にも2点適時打を許し、5失点で八木原と交代。右翼の守備に就いた。

 ここまで154球で9四球。外角の速球をことごとく見極められ、頼みのスライダーも「肘の位置で見極められて、速球を狙われた」。初回から自己MAXに迫る146キロも、ストレート1本に的を絞る専大松戸打線に苦しめられた。

 それでも1年先輩にロッテのドラフト3位右腕・島がいる金久保は上位指名へバットで魅せた。2点ビハインドの9回表に味方が執念で同点に追いつくと、その裏からこの日2度目のマウンドに上がり、2死二塁のサヨナラ危機に、相手エースの川上を124キロのスライダーで空振り三振。そして延長10回、マリン名物9メートルの逆風を物ともせずに川上の初球を捉え、右中間最深部へ2ランを放った。

 この日計186球で11四球だった金久保は自らのバットでけりをつけ、一二塁間でガッツポーズ。「何とか自分で取り返したかった。インコースよりの真っすぐ。打った瞬間にいったと思った」と振り返った右腕はバッティングでも非凡さを見せつけた。

(細野能功 / Yoshinori Hosono)

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