選抜の忘れ物を取り返すためにー 神戸国際大学付、1点を死守して準決勝へ
見直した録画映像「目をそらしてばかりではいけない」
試合後、すぐにグラウンドに戻ったチームは、ミーティングを経てすぐに練習を開始。“悪夢”の余韻が冷めやらない、わずか数時間後だった。「あの時は捕球して上から投げてしまったというか…ワンジャックしてしまって悪送球になってしまったんです」と後藤。チームは強打にばかり注目されてきたが、昨秋に近畿大会を勝ち進んで来られたのは堅い守りがあったからだった。だが、それが崩れてしまってからの夏へのスタート。以降、同じ場面を想定して数えきれないほどノックを受けた。
春の県大会が始まる頃になっても、当時の試合を録画した映像はなかなか目にすることができなかった。だが、「前を向いていくには、ずっと目をそらしてばかりではいけない」と同時の映像を見直し、自身の動きを確認。何がいけなかったのかをしっかり確認した。
「トスの速さなど、もう一度ちゃんと見直さないといけないと思って。今日の試合もあの時と同じ1点を争う展開だったので、しっかり守れたと思います」
夏は特に負ければ終わり。そんな緊張感と隣り合わせの中、鉄壁の二遊間で次戦の準決勝も投手を盛り立てる。そしてもちろん、選抜の忘れ物を取り返すために再び聖地に立つことが今の2人の目標だ。
(沢井史 / Fumi Sawai)