多くの名選手を輩出 全米を興奮させるカレッジワールドシリーズの魅力

カレッジワールドシリーズは毎年6月にネブラスカ州オマハで開催されている【写真:山岡則夫】
カレッジワールドシリーズは毎年6月にネブラスカ州オマハで開催されている【写真:山岡則夫】

舞台となるネブラスカ州オマハは大学野球の聖地

 全米大学ナンバーワンを決定するカレッジワールドシリーズ(以下CWS)。47年から始まったこの大会は、第4回大会より毎年6月にネブラスカ州オマハで開催されている。2017年で70周年を迎えたCWSとは、どんな大会なのか。

 オマハは中西部のシカゴとデンバーの中間あたりに位置する地方都市。全米有数のヘンリー・ドーリー動物園とともにCWSで知られている。全米生中継もおこなわれ、NCAA(=全米体育協会)が開催する年に一度の大イベント。ヤクルトで活躍したボブ・ホーナーやMLBの名将テリー・フランコーナなど多くの名選手を輩出している。

 その盛り上がりには驚かされる。日本の大学野球は、東京のど真ん中にある神宮球場でも集客に苦労する場合がある。しかし、CWSは大会期間中(=システムの都合上、多少ずれるが、最大で17日試合)は都合数十万人ものファンがオマハを訪れる。会場のTDアメリトレード・パークは最大3万5000人収容(マツダスタジアムを少し大きくした感じ)だが、常に超満員に近い状態でチケット争奪戦も激しい。各競技の王者決定戦、フットボールの『ボウルゲーム』やバスケットの『ファイナル4』ほどではないが、ここの熱気はスゴいものがある。

 もちろん、連日、様々なイベントがおこなわれグッズも販売される。試合前後には球場周辺のスポーツバーで昼間からビールを楽しむ。

「大学の大会のため、基本的に球場内でのアルコール販売禁止。だからみんなが店に流れる。1年を通じてCWS期間中は最も儲かるけど、てんてこ舞いだよ。もちろん隠れて球場内にビールを持ち込む奴らもいるけどね(笑)」

 球場すぐ側のバー店主は語ってくれた。

 CWSは全米各カンファレンスの優勝チームによる予選を勝ち抜いた8チームによっておこなわれる。開催方式はWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)でも採用された「ダブルイレミネーション」方式(決勝のみ3戦先勝方式)。同一チームが2敗するまで敗者復活の形で生き残ることができる。よって勝者同士の対戦ももちろん、1敗して後がないチームの試合も異常に盛り上がる。まさに「勝てば天国、負ければ地獄」である。

ドラフト1巡目を生み出す面白い野球が見られる

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