多くの名選手を輩出 全米を興奮させるカレッジワールドシリーズの魅力

2012年、パドレスにドラフト1巡目追補で指名されたトラビス・ジャンコウスキ【写真:山岡則夫】
2012年、パドレスにドラフト1巡目追補で指名されたトラビス・ジャンコウスキ【写真:山岡則夫】

ドラフト1巡目を生み出す面白い野球が見られる

 5年前の12年大会、あるチームに注目した。ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校シーウルブズ。73年にベースボールプログラム(=野球部)ができ、00年にディビジョン1部に加入した新しいチーム。5度目のカンファレンス予選出場で、初のCWS出場を果たしていた。

 赤のジャージを身にまとったチームの売りは、攻撃力。このシーズン(12年)、打率、三塁打、長打率で全米トップ。各カンファレンス予選では、5試合でなんと50得点をたたき出していた。

 チームを率いていたのはアメリカ・イースト地区の最優秀コーチに輝いた、名将マット・センク。チーム方針について、当時こう語っていた。

「歴史が浅いチームなので、有望選手が集まりにくい。優れた投手がいる訳でもないし、飛び抜けたスラッガーもいない。だから全員が攻撃力をつけて打ち勝つチームにした」

 この年(12年)パドレスにドラフト1巡目追補(全体44位)で指名されたトラビス・ジャンコウスキ(※1)は「チーム全体が攻撃に対する意識が強い。それに、やっぱりホームランを打ちたい。みんなそうなんじゃないかな。だから点も取られると思うけど、うちのチームの試合は面白いと思うよ(笑)」と話していた。本大会では1勝も挙げることはできなかったが、アグレッシブなスタイルは大きな話題を振りまいた。

48年開場のローゼンブラット・スタジアムも、大学野球にとっては伝説的な場所

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