「勝ち切る」選抜王者 甲子園春夏連覇へ、大阪桐蔭の強さの根底にあるもの

甲子園出場を決め喜ぶ大阪桐蔭選手たち【写真:沢井史】
甲子園出場を決め喜ぶ大阪桐蔭選手たち【写真:沢井史】

準々決勝以降は苦しい戦いの連続、大阪桐蔭はなぜ勝てたのか

 176校が参加し、熱戦が繰り広げられた第99回高校野球選手権大阪大会は大阪桐蔭が3年ぶり9度目の甲子園出場を決め、幕を閉じた。今年は選抜で大阪桐蔭と履正社の大阪勢同士が決勝戦を戦い、「打倒・2強」を掲げたチームが、例年以上に熱い戦いを繰り広げた。

「やっぱり、大阪桐蔭だった」と言う人も多いかもしれない。選抜で優勝して以降、公式戦は26連勝。結果的には強さを見せつけて頂点に立ったが、ここまでの足取りは決して緩やかなものではなかった。

 今夏戦った8試合のうち、準々決勝以降の3試合は苦しい試合が続いた。準々決勝の興国戦は初回にいきなり4点を奪われる苦しい立ち上がり。序盤に何とか追いついたものの、6回に3点を勝ち越された。だが、6回に5番に座った山田健太の満塁弾などで反撃し何とか逃げ切った。

 選抜決勝の再現となった準決勝の履正社戦は、先制したもののすぐに逆転を許し、以降は互いに流れが行き来する展開に。6回に犠飛で勝ち越されたが、終盤に長打を集めて再逆転した。

 そして大冠との決勝戦は序盤から激しい点の取り合いとなり、5回には満塁から連続押し出し四球、8回には5連打などで試合を決めたかに見えたが、9回には相手の猛追に遭い、最後まで分からない展開だった。

 ただ、この3試合に共通しているのは、点を取られた直後のイニングで必ず反撃していることだ。その戦いぶりについて、福井章吾主将はこんな話をしていた。

「相手に勝ち越されても、攻めの姿勢は絶対に崩してはいけないと思いました。特に夏は負けたら終わりなので、自分たちはここで負けるわけにはいかないと。最後は気持ちの強い方が勝つ。だから、ずっと攻めることだけを考えていました」

「勝ち切る」姿勢が揺らいだ大冠との決勝戦「大阪の戦いは簡単には勝たせてくれない」

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