“誤報”で選手が試合中に涙する場も MLB移籍市場で影響力大のツイッター

“誤報”で選手が試合中に涙する場面も

 トレードの時期以外にもメジャーリーグのシーズン中、選手の流れは活発に行われている。メジャーとマイナーの行き来、選手が故障者リスト入りした場合の選手異動などさまざまだ。そのたびに記者が公に発表されていない情報をスクープして、そのツイートで知るということもあった。

 MLBを長年追い続けている記者たちはツイッターというプラットフォームで、実名を使って戦っている。自身が長年の取材で培った人脈と信頼により、情報を流している。ツイッターで情報を流すメディアの人間たちにとっても、誤った情報を流せば自身の信用に大きな傷を付けかねない。一度発信してしまえば、すぐさま拡散されてしまうため、削除機能があるにしてもそれに頼ることはできないからだ。

 米国では記者のツイートを正当な情報源として扱い、スポーツニュース報道でもツイートを紹介する場面は度々みられる。ツイッターはどのメディアにも勝るスピード感がありつつも、思いつきで発信できてしまう危険性があるからこそ、それまでの準備や裏取りがなおさら求められる。一方で中には自分の名前を世に広めようと、あいまいな情報を流してしまう者もいるのでツイッターを情報源として活用する場合は、情報を得る側も意識を研ぎ澄ます必要があり、発信源を確認することも重要である。

 それを思い知らされる一件が起こったのは2015年7月29日だった。ツイッター上で、ニューヨーク・メッツのウィルマー・フローレスのトレードが成立したかのような情報が流れたが、実際、彼はまだメッツのユニホームを身にまといプレーをしていた。しかし、ツイッターの情報を見たファンたちはトレードが成立するものと信じこんでしまい、フローレスが打席に立った際に大歓声。それに勘付いたフローレスはグラウンド上で涙を流した。結局トレードは不成立に終わったものの、間違った情報がツイッターで拡散される危険性を誰もが感じる出来事となった。

真剣勝負が繰り広げられるトレード期限

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