“誤報”で選手が試合中に涙する場も MLB移籍市場で影響力大のツイッター

真剣勝負が繰り広げられるトレード期限

 ツイッターなどのソーシャルメディアは友人との近況報告や新たなつながりを生み出しているが、日本ではまだニュースの情報源という扱いは薄いように感じられる。日本でも今季のトレード期限日を前に谷元圭介投手が北海道日本ハムファイターズから中日ドラゴンズへ移籍したが、ツイッターなどでの前ぶれは少なく、急にトレードが発表された印象だった。その後にネット上を中心に議論などは見られたものの、メジャーリーグを渦巻くようなトレードの噂やメディアからの予想などといった形での盛り上がりは日本では見られていない。

 メジャーリーグの情報を発信する人間にとって、トレード期限日は自らの取材力やネットワークをアピールできる絶好の場面でもある。一つでも多くのスクープや予想を的中させることで所属している媒体だけではなく、個人としての価値を大いに高めることとなる。そのため、評価を高めた記者が媒体を“移籍”することも決して珍しいことではない。

 全員に該当しているとは断言できないが、メディアと選手の関係にはお互いプロフェショナルとしてのリスペクトが存在している。記者もグラウンド上の選手と同じように自らの仕事で勝負をしている。

 トレード期限日は選手たちにとってキャリアを左右しかねない時期であるが、球団運営やメディアに関わる者にとってもキャリアを左右する真剣勝負が繰り広げられる時期ということを意識することで、今後の新たな楽しみ方の一つとなるはずだ。

(記事提供:パ・リーグ インサイト

「パ・リーグ インサイト」新川諒●文

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