甲子園優勝投手のNPB今季成績は…松坂大輔、斎藤佑樹ら苦しむ投手の姿も
大半がプロ入りも、その後のキャリアは…
このほか、ニューヨーク・ヤンキースの田中将大(駒大苫小牧高)も、2005年夏の優勝投手だ。さらに、独立リーグの四国アイランドリーグplus、愛媛マンダリンパイレーツには、1999年夏の優勝投手、正田樹(桐生第一高)が現役で投げている。中京大中京の2009年夏優勝に大きく貢献しながら優勝決定時には右翼を守っていた堂林翔太は、広島入団後に野手に転向した。
近年の甲子園優勝投手は大半がプロ入りしていることが分かる。しかし、その進路は必ずしも順風満帆ではなさそうだ。
高校時代は大エースとして甲子園のマウンドで活躍した投手たちだが、プロ入り後も先発で活躍している選手は意外なほど少ない。今年に限れば、規定投球回数に達しているのはソフトバンクの東浜巨だけだ。大谷智久、西村健太朗、田中健二朗、今村猛など、救援投手として活躍している投手が多い。
また、松坂大輔をはじめ、福井優也、藤浪晋太郎など、一時期活躍したものの故障や不振で、十分な成績が挙げられていない投手も多い。
実は、春夏の甲子園の優勝投手で、プロで200勝投手になったのは野口二郎(中京商)、平松政次(岡山東商)の2人、100勝以上も8人しかいない。甲子園での過酷な登板が、その後の野球人生に大きな影響を与えたという見方もある。
今季の優勝投手は、どんな野球人生を歩むだろうか?
(広尾晃 / Koh Hiroo)