米通算3000安打の大打者が、まさかの暴走!? 挟殺プレーで向かった先は…
1点を追う4回、三塁走者を返そうと一二塁間を駆け回る
人はピンチに立たされると、咄嗟に思いも寄らぬ行動を取ることがある。13日(日本時間14日)、本拠地アストロズ戦で見せたレンジャーズのベテラン三塁手ベルトレの走塁が、大きな話題となっている。
実況も思わず吹き出した珍プレーは4回に誕生した。1点を追うレンジャーズは、先頭マザラが中前打で出塁。一気に加勢したい場面で打席に立ったのは、先日メジャー史上31人目となる3000安打を達成したベルトレだった。アストロズ先発カイケルが投げた初球を振ると、打球は一塁線を破り、右翼へ転がった。ベルトレは一塁ベースを回って二塁へ向かうと思われたが減速。これを見逃さなかった右翼手レディックは一塁手グリエルに送球した。ベルトレは慌てて二塁を目指したが、一二塁間で挟まれる形となってしまった。
こうなったら、挟殺プレーで時間を稼ぎ、三塁まで進んだマザラに同点ホームを踏ませたい――。そう思ったのか、ベルトレは一二塁間で挟まれながらも、アウトにならないように必死で逃げ回った。二塁を目指し、一塁へ向き直し、再び二塁へ。だが、二塁ベース前に立ちはだかるアルトゥーベにボールが転送されたのを見ると、なんと今度はピッチャーマウンドに向かって走り出した。走路を大幅に外れたベルトレに対し、二塁塁審はアウトを宣告。ベテラン大打者が必死で時間稼ぎをしたが、三塁にいたマザラは本塁へ生還できなかった。
MLB公式サイトの動画コーナー「Cut4」では、この珍プレーを紹介。公式ツイッターでは「エイドリアン・ベルトレ、走路はネクストバッターズサークルほど簡単には動かないことを学ぶ」というコメントをつけて動画を公開した。ベルトレは先日、ネクストバッターズサークルで待機するよう審判に注意された後、ネクストバッターズサークルの目印に置かれたマットを自分がいた場所に移動させたため、珍退場処分を喰らっていた。今回は走路を自分仕様にアレンジできずにアウトを宣告されてしまった。
ベルトレが見せたまさかの走塁に、実況も思わず吹き出し笑い。アウトにこそ倒れたが、メジャー20年目の大ベテランになってもなお、必死さと遊び心を忘れずにプレーするベルトレを、チームメイトはダグアウト笑顔で迎えた。
チームは1-2と惜敗。ワイルドカード争いでは、プレーオフ進出権を持つ2位まで3.5ゲーム差となった。